国立西洋美術館 〒110-0007 東京都台東区上野公園 7-7 |
「グエルチーノ展」 & 「ボルドー展」 国立西洋美術館開催 合同記者発表会
|
''2014 12/10 会場:国立西洋美術館講堂にて 「グエルチーノ展」 & 「ボルドー展」 の合同記者発表会が行われました。
|
【主催者代表】馬渕 明子(国立西洋美術館長)、難波 一弘(TBSテレビ常務取締役) 「グエルチーノ展」【展覧会紹介映像、展覧会紹介及び作品解説】渡辺 晋輔 本展監修者(国立西洋美術館 主任研究員) 「ボルドー展」【展覧会紹介映像、展覧会紹介及び作品解説】陳岡 めぐみ 本展監修者(国立西洋美術館 主任研究員) |
「グエルチーノ展」&「ボルドー展」 合同記者発表会挨拶 馬淵 明子(国立西洋美術館館長) |
よみがえるバロックの画家
|
グエルチーノ展 |
GUERCINO |
|
グエルチーノ(1591-1666年)はイタリア・バロック美術を代表する画家として知られています。 カラヴァッジョやカラッチ一族によって幕が開けられたバロック美術を発展させました。
一方、彼はアカデミックな画法の基礎を築いた一人でもあり、かってはイタリア美術史における最も著名な画家に数えられました。 19世紀半ば、美術が新たな価値観を表現し始めると、否定され忘れされてしまいましたが、20世紀半ば以降、再評価の試みが続けられており、特に近年ではイタリアを中心に、大きな展覧会がいくつも開催されています。
国立西洋美術館もグエルチーノの油彩画を1点所蔵していますが、今回はこの知られざる画家の全貌を、約50点の油彩画によってお見せします。 |
|
会期: 2015 3/3.火〜5/31.日 休館日: 毎週月曜日 ただし、3月30日、5月4日、5月18日は開館 開館時間: 午前9時30分〜午後5時30分(金曜日は午後8時まで) ※入館は閉館の30分前まで 会場: 国立西洋美術館 東京・上野公園 主催:国立西洋美術館、ボローニャ文化財・美術館特別監督局、チェント市、TBS |
画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。 |
「グエルチーノ展」 '2014 12/10 プレス説明会 |
バロックの最も重要な天才画家グエルチーノの全貌を仰ぐ |
|
【展覧会の構成】 ― 「グエルチーノ展」のPRESS RELEASE、他よりの抜粋文章です ― |
|
本展の各章では、グエルチーノの質の高い代表作が9割と、その周辺の画家の作品が数点、合計50点弱の展示となります。 50点の展示作品は1点、1点が非常に大きく
2m〜3m 以上の油彩画作品が沢山出品されます。 特に17世紀イタリア絵画では大規模な作品が顕著で、大きい画面に集中力のある描写、それによって圧倒的迫力をもって迫ってきます。
展覧会構成は、年代順にグエルチーノに焦点を当てた展覧会ですが、グエルチーノを窓としてイタリアバロック全体の広がりを理解する展覧会なります。
|
|
「グエルチーノ展 よみがえるバロックの画家」の5章による展覧会構成 1章 画風の形成期―1591年〜 2章 初期 画風の確立―1617年〜 3章 ローマ滞在と画風の変容―1621年〜 4章 後期@ 聖と俗のはざまの女性表象―グエルチーノとグイド・レーニ 5章 後期A 宗教主題 |
'2014 12/10 プレス説明会のスライド映写の画像です。 |
2章 初期 画風の確立―1617年〜 小都市チェントで独自の自然主義的な画風を成熟させたグエルチーノは、その名が近隣にも届くようになります。 1617年の年末以降はチェントを本拠として多くの作品を制作しました。 展示作品はこの時代の宗教画の特徴を表しています。 グエルチーノ 《聖イレネに介抱される聖セバスティアヌス》 1619年 油彩/カンヴァス 179 x 255cm ボローニャ国立絵画館蔵 聖人を介抱する巫女らが、揺らめくような光によって人体が空間の中にとけ込み、光によって一瞬のドラマが演出されています。 |
4章 後期@ 聖と俗のはざまの女性表象―グエルチーノとグイド・レーニ 本展では女性像と宗教主題のふたつのセクションに分けて、グエルチーノの後期の絵画を概観します。 作品を通じて、西洋のアカデミックな絵画の流れを決定づけた古典主義とはどういうものなのかを知ることができるでしょう。 右側 グイド・レーニ 《巫女》 1635-36年 油彩/カンヴァス 74.2 x 58.3cm ボローニャ国立絵画館蔵 本展では、ボローニャのグイド・レーニ(1575-1642年)の作品を2点展示します。 理想美を追求したレーニの優美な絵画を、この時期のグエルチーノは特に意識しました。 両者の女性像を並べて見ることで、画家同士のライヴァル関係に思いを馳せることもできるでしょう。 |
「彼の筆の軽妙さ円熟さはただ驚嘆のほかはない。」 ゲーテ
|
|
「最後の大画家」 スタンダール |
知られざる画家 グエルチーノ (年譜:グエルチーノ個人史よりの抜粋です) |
||
1591年 2月2日、ジョヴァンニ・フランチェスコ・バルビエーリ(通称グエルチーノ)、チェントにおいて父アンドレア・バルビエーリと母エレナ・ギゼッリーニのもとに誕生。
2月8日洗礼。 1600年 (9歳)絵画の初期教育を受けるために、建築画家パオロ・ザニョーニのもとへ預けられる。 1613年 (22歳)初めての単独での注文制作。 司教座聖堂参事会員アントニオ・ミランドラの庇護下に、チェントでの祭壇画制作の注文を受ける。 1617年 (26歳)ボローニャに滞在、アレッサンドロ・ルドヴィージ枢機卿のために作品を制作。 その他、トスカーナ大公などから12点の祭壇画と11点のカンヴァス画の注文を請け負う。 1621年 (30歳)教皇グレゴリウス15世(アレッサンドロ・ルドヴィージ)に招聘されてローマへ移住。 ローマのカジーノ・ルドヴィージにおいて 《アウローラ》 制作。 1626年 (35歳)英国王チャールズ1世のために2点の作品を制作。 この際、ロンドンに宮廷画家として招聘されるも断り、代わりにオラツィオ・ジェンティレスキが選出される。 大聖堂のクーポラ装飾のためにピアチェンツァへ向かう。 年末、チェントへ帰郷。 1637年 (46歳)ルイ14世の国務大臣、ラ・ヴリリエール卿ルイ・フェリポーから4点の注文。 以後1641-42年、1643年、1645年と断続的に注文される。 1655年 (64歳)スウェーデンのクリスティーナ女王、グエルチーノの工房を訪問。 1666年 (75歳)12月22日グエルチーノ死去。 ボローニャのサン・サルヴァトーレ聖堂に埋葬される。 |
||
17世紀のボローニャはイタリア美術の中心地のひとつであり、「ボローニャ派」 と呼ばれる画家たちが活動しました。 グエルチーノはその代表的な存在です。 グエルチーノはボローニャのカラッチ一族やフェッラーラの美術を参考に、ほぼ独学で絵画を学びました。 初期の作品はドラマチックな明暗と色彩、それに力強い自然主義を見せますが、ローマ滞在(1621-23年)を境に、落ち着きのある構図と、理想的で明快な形態を持つようになっていきます。 彼はチェントとボローニャを主な拠点として、多くの君主や有力貴族の注文にこたえました。 |
||
16世紀後半のイタリアでは、ミケランジェロらルネッサンスの大芸術家の表現を踏襲した人工的かつ衒学的な作品が美術を席巻し、自然な表現が失われていきました。 ちょうど同じ頃、対抗宗教改革の高まりとともに、宗教画の表現に分かりやすさや写実性、感情を掻き立てる力が求められるようになります。 時代を先駆けたのはボローニャのアンニーバレ・カラッチ(1560-1609)を中心とするカラッチ一族でした。 ボローニャからやってきたアンニーバレ・カラッチは自然観察と古典的造形を結びつけ、北イタリア出身のカラヴァッジョは徹底した写実とドラマチックな構図を隻求します゛ !こう跳て、分かりやすく感情に逓に訴えるA新た・美術表現の方向性が決定づぉられました。 彼ら・よって幕が開けられた新たな美術様式をグロチNと呼2ます。 |
お問合せ:03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
参考資料:「グエルチーノ展」、「ボルドー展」 Press Release、他。 |
ご意見ご感想は yashio@mui.biglobe.ne.jp |
Copyright © 2002-2014 Yashio.ALL Rights Reserved. |